夢の先

まさか二人同時に、母親の夢を見るとは思わなかった。
きっと俺達が奈良に行ったことを感謝しているのだろうとは祖母の言。
それが本当なのか確かめる術は存在しない。そう信じておこうか。そのほうが平和だ。
しかしまあ、夢の中の母ですら俺は叱り飛ばしてるんだから、全くなにやってんだか。
車の中にキーを置いて出るとか、叱り飛ばしたくなる気にもなるけどな・・・。

そして今日はもう一人、夢の中に登場人物が。結局会えるのは夢の中だけだな。
なんだかそのことを思ってしまうと少し寂しいかも。寂しいし、哀しい気もする。
だけどこうやって夢の中に現れてくれるというのは本当は喜ぶべきなのかもしれない。
夢の中で幸せそうな様子を見られただけでも。すごく胸は痛かったけど。
隣の人は俺じゃなかったからな・・・。

でも、まあ、それでも夢の中とはいえ会えないよりはきっとマシなんだろう。
俺がこうしてここに綴る思いも、風に乗って、もとい電話回線にのって届くはずだよ。
きっとそれで十分なのかもしれない、本当はそれが俺の望みなのかもしれない。
ハードルをさげてるわけじゃないけど、そう思ったら何か少し楽になったような。

時には冷たい雨が降りしきる夜もある。けど、いつかまた晴れる日がくる。
そう、だから俺達はきっと前に進めるんだよ。
ゆっくりでもいい、また歩き始めようか。夢はもう、醒めてしまったから。

今日の気分に合いそうな曲を曲名と雰囲気で探したらあったが・・・。
初めてこの曲に歌詞があることを知った。何か喋ってるのは聞こえてたけどな。
まあこれでいいかな・・・。
（音量注意）